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Ultra-Trail Mt.Fuji 2018

今回、初めて100マイルのトレイルレースに参加させていただきました。 大会名は『Ultra-Trail Mt.Fuji 2018』(以下UTMF)

トレイルランナーであれば、一度は聞いたことがある大会でしょう。

2016年はUTMFへの権利がなく、STYにエントリーし、途中で大会中止。 その後にポイントをコツコツためて、UTMF2018にエントリー!幸運にも二次募集で出走権を得ました。

冒頭に書きました通り、100マイルは今回が初めて。 過去の長距離レースの実績といえば、上州武尊山(129km)、信越五岳(台風のため102km)が最長であり、70km前後の大会ですらDNFすることも珍しくありませんでした。 (参考までに、フルマラソンは3時間半程度です)

とはいえ、実は今年の夏にはUltra-Trail du Mont-Branc(UTMB2018)にも当選。。 このUTMFは何としても完走するつもりで準備をしてきました。

【スタート~A1】

大会当日はスタート地点の富士山こどもの国に午前中に到着し、STYのスタート(12:00)を見送り、UTMFスタート(15:00)まで少し仮眠しました。

スタート時間になるとライブも行われ、会場のボルテージは最高潮に! その最高の盛り上がりが、スタート時間になるとゲートから一気に放出されます。

さすがUltra-Trail World Tourの一戦だけあって、100マイルレースなのに序盤からハイペースです! W1までは下り基調の林道で、車が通れるくらいの道幅がありました。ペースはおおむね6分後半~7分。5kmくらいまでは、同じくBukkaのはるさんと併走。

お知り合いを見かけることも多く、会話などを交わしながら走っていると、あっという間にW1に到着。500ペットの水を受け取りました。

W1を過ぎると、鉄塔沿いのシングルトラックへ入ります。渋滞はありませんでした。 この区間、地図では直線に見えますが、細かいカーブやアップダウンが連続し、早くも前から選手が落ち始めてきます。ペースは7分台前半を維持し、スタートから2時間半弱でA1へ到着しました。

それほど消耗感がありませんでしたので、5分弱でエイドを出発。失敗としては、ここでハイドレーションへの給水を行わなかったこと(!)

【A1~A2】 A1を過ぎると、天子ヶ岳の登りに差し掛かるまで暫くは舗装路。街中では車道を横切るため、数度足止めがありましたが、そんなタイミングでふと振り返ると富士山がきれいに見えたりします^^

30km地点くらいであろうか。登り勾配がきつくなり、次第に未舗装路になり、やがてシングルトラックへと入っていく。 数日前までの雨の影響か、所々ぬかるんでいて、みんな避けるようにコースを選んでいます。私も足場を選びながら進みますが、たまに踏み外してもあまり気になりません。2016年に比べれば(笑)

急登の中ほどに差し掛かったところで、ライトを灯す。

そして、登りの足は止めない。 Bukka Pride。

仏果山1個分(これをBSCでは「一仏果」と呼んでいる)ほど登ると、もう天子ヶ岳の山頂になり、ここから長者ヶ岳→天狗岳→熊森山と縦走します。 長者ヶ岳からは月明かりに照らされた美しい富士山のシルエットが拝め、思わず写真を撮影。

熊森山の下りは、所々とても急であり、僕くらいのレベルでは走ることは難しい。前後と間隔を取りつつ、ただひたすらと下ると、やがてロードに出る。 ここからはロードの下りが約8キロ続いた。みんなガンガン飛ばしていく^^;

手元の時計を見ると、ほぼキロ6分。明らかにオーバーペース。ここはペースを落として抜かれることを楽しみながらA2へ到着。BSCの今泉さん&西尾さんが迎えてくれました。

水はセーブしたつもりだが少ししか残っておらず、一本目のジェルフラスコは空 。キツかったのはエネルギー切れも要因であったのだろう。

A2は正直、一番きつかった。楽しみにしていた富士宮焼きそばも、まったく魅力を感じなかった。気持ちの問題ではなく、体からの危険信号なのだろうか。 ここでは長めに休憩して水を多く給水。竹カップで、7~8杯は飲んだであろう。占めて1リットル。食べ物もバナナやフルーツをメインに、何度も頬張る。

サポートエリアでは、ジェルフラスコを2本目に交換。ヘッデンも交換。 水は多めに。体も冷えてきたため、気持ちが乗らないけれど次を目指す決意をする。ターンアラウンドは30分。致し方ないとはいえ、時間をかけすぎですね。

【A2~A3】

このセクションは何と言っても竜ヶ岳。この登りに差し掛かるまでには何としても体を回復させたいところ。登りに差し掛かるまでは、ほぼ平坦な道が続くが、キロ9分にも及ぶペースで走る。走りながら、水を摂る。しかし不思議なことに、明らかにペースダウンしているのに抜かれない。

そして竜ヶ岳。 走れない登りは、Bukkaの本領の見せ所である。幸い、足は回復してきたようであり、落ちてくる選手を励みに、どんどん登っていく。ここでは端足峠までは、ほとんどがSTY後半の選手。端足峠でUTMFとSTYのコースが分かれたら、再びUTMF選手のみになり、前後が一気にまばらになるエリア。山頂までは頑張りすぎない程度に頑張り、下りではゆっくりと抜いていく。しかし、下り終わった本栖湖の畔で今度は私の足が止まる(笑)

原因がすぐにわからなかったため、無理に走らず、少しずつジェルや塩熱サプリなどを口にしていく。やっとの思いで、A3に到着。

とても暖かい施設である。できるならばここで、一睡したい。

察するに、STYの関門時間を迎えていたようで、STYの選手は誰一人先を急がず、寛いでいる。 しかし私にはそんなことは関係なく(笑)、湯葉丼やコーラ、フルーツなどをひたすら頬張る。結構いろいろと食べたであろうか。気持ちがふと上向いた瞬間を逃さず、A3を発つ。もう日も変わった真夜中です。

【A3~A4】 A3を出た辺りは回復を待ちながら、気持ちで進んでいた。 この区間の記憶はあまりない。景色もヘッデンの照らす半径数メートルのみであり、目立ったランドマークもない。稜線に出てからも、湖沿いの山をひたすら縦走する。 一度コースから転落したのは覚えている(笑)

が、そのお陰で体が覚め、気を取り直して走り始める。その後は体は動く。下りも走れる。

山を下りると、なんとBukka伊藤さんが山中に応援に来てくれた!(実際は、すぐ近くまで車でこられたのだとか笑)

ここでA4まであと4kmと知る。トレイルではあるが、アップダウンは少ない。それほど時間が経たずにA4へ到着。どうやら体調は登り調子のようである。

ここはドロップポイントではあるが、私はサポートがいたためDBは預けていなかった。 ここでは装備品や補給品を色々と整える計画であったが、サプリ系はさほど消費していないため、A5まで延期を決意。着替えをしたり、カップ麺を食べたり、ワセリンや日焼け止めを塗ったり、いろいろ考えていたが、これらもA5まで延期を決意。 理由は「体が動いている」「明るくなってきたが、まだ涼しい」から。涼しいうちに少しでも進んでおきたいということです。

サポートからモバイルバッテリーを受け取り、携帯電話とGPSウォッチを充電しながら進むこととする。よく考えたら、エイドの食べ物を食べていなかった。勿体なかったなぁ。。

【A4~A5】 A4を出ると、わずかなトレイルを経て、5kmほどのロードの登りである。富士パノラマラインとはよく言ったもので、確かに見晴らしが良い。当然、日射も遮られない。 ここは気持ちを切らさず、まるで歩くようなジョグではあるが、前の人の背中だけ見て進む。車通りも多く、お知り合いさんも通りかかり、エールを頂いた。

ロードを抜けると、走れる登りが現れる。いや、私の周囲で走っているのは、どうやら私だけのようだ。皆さんそろそろ、急登でなくても足が動かなくなってきているようです。ここからは紅葉台の登り。バイクくらいは走れそうな林道を登っていく。古びた「紅葉台」の看板や、とても山頂には見えない「山頂」の看板を横目に、ひたすら上る。途中、名も知らぬ神社が現れたので、100円をお賽銭に、完走祈願を行います。

気付けば、あっという間に足和田山。左右のベンチではちらほら、選手らしき人が休んでいますが、ここを下りれば勝山エイド。竜ヶ岳の反省を生かし、下りも慎重に。河口湖の畔に出ると、STYとの最終的な分岐があります。STYはここからゴールまでのウイニングロード、UTMFはほぼ折り返しのA5に向かう分岐です。ここでBukkaの長谷川さん発見。朝日に劣らぬ笑顔で出迎えてくれます。せっかくなので記念撮影をして、勝山エイドへ。山を下りてから勝山エイドまで、そんなに距離は無いイメージでしたが、意外と走りました。トイレに行きたかったので、長く感じたのかもしれません。 やがて信号待ちを経て、A5勝山。

真っ先にトイレを済ませて、おにぎりを2個頂き、サポートエリアへ。 ここでは、A4で見送った装備傾向品、補給品を整える。 ・finetrackパワーメッシュを脱ぎます。 ・夜間、バイザーを外していたので再びバイザーを装着。ネックウォーマーを外します。 ・アームウォーマーを外して、リストバンドへ 。 ・ジェルフラスコを入れ替え 。 ・日焼け止めとワセリンを塗りたくる。 ・毎度のごとく、食べ物と飲み物は気持ち多めに摂取。 ・バッテリー充電OK。モバイルバッテリーを外す。 気温もぐんぐんと上がってきてます。体は動いているので、やることやって、すぐ出発。

【A5~A6】

噂に聞いてはいましたが、この区間はロードがひたすら長い。早くも暑さとの戦いが始まります。そして、その戦いを始めてから気づきました。。

そうですね、A5でハイドレーションに給水をしていませんw

途中の自販機やコンビニでスポーツドリンクを購入します。ガリガリ君を買い忘れたことは、痛恨の極みです。気温もさることながら、日差しは更に容赦ない。ロードでもなるべく日陰を探しながら走ります。(こういった小さいことも、エンデュランスレースでは積み重なって大きなダメージに) 中央道が見えます。車に乗りたい。富士急ハイランドが見えます。FUJIYAMA乗りたい。 そんなことを漠然と考えながらひたすら足を交互に動かす作業をしていると、突然国道から聞き覚えのある声が。Bukkaの八木さんです!片道2車線の広い道路、当然あっという間に消えますw 八木さんを見送ると、すぐに浅間神社が見えてきました。この暑さ、この景色。富士登山競走と間違えて馬返しに向かいたい衝動を抑えて、神社突入! すると八木さんアゲイン。レース中ですが撮影ポイントを探して写真撮影!こういった写真、本当にうれしいです。 オールスポーツの写真って、どれも似たような景色ですし、高額ですし…。

この区間は富士山ドーム裏の小倉山と、エイド前の鳥居地峠のみ、ちょっとした登りがあります。つまり、bukkaパワーが発揮できる場所が少ない。そのBukkaパワーも、暑さでゴリゴリ削られてきます。まさに苦行の区間。鳥居地峠を下りるとすぐに忍野中学校、エイドです。

ここで予想外の装備品チェック!特に問題はなかったのですが、必携装備品3点を確認されて、無事にエイドイン。

ここではほんの数名しか休んでいません。ボリュームゾーンは抜けた印象です。(エイドでの順位の上がり方を見ると、体育館で休んでいたのかな?) 暑さで水がヤバかったのと、そもそもハイドレ満たしていなかったのとで、ここでは念入りに水を飲み、ハイドレとフラスコに水を満たします。日陰で涼みつつ、コーラやフルーツ、スナックなどを頂き、Bukkaメンバーに健在報告をしてスタートします。暑い…

【A6~A7】 A6を出ると、忍野ののどかな田園地帯。振り返ってみると、この区間の暑さが全行程中で一番厳しかったように思えます。小川沿い、田んぼ沿い、民家沿い、前後のランナーと声を掛け合いながら進みますが、その先は全く人の影がない。気持ちが折れますorz まるで蜃気楼でも見えそうな里を抜けると、林道に入ります。 木陰だ!登りだ!気持ちが復活!!

ここから少しずつ、再び前を向いて、一人ずつ追いかける。太平山まではやはり林道。暑さで足が動かない区間がしばらく続いた分、筋肉は回復傾向にあるようで、太平山を越えてから石割山にかけて周囲のランナーを引き離しにかかる。このあたり、抜いたランナーと抜かれたランナーの比は10:1くらい。登り詰めの石割山の登りは階段にロープと、ここまで100km以上走ってきた者に容赦なく襲いかかる。

でも、終わらない登りはない。頂上の無い山は無い。 石割山がなんだ、仏果山よりだいぶ低いではないか!

そんな斜面を抜けると、石割山の山頂!

ここまでこれば山中湖までは下るだけ。まぁ、その下りが急峻でキツい訳ですが、エイドが近いとわかっていると気持ちも違います。足に負担をかけないよう、無理をしないよう心がけながらも少しずつ下りで順位を上げていきます。

このあたりで、UTMF完走を確信しました。

石割山からは、石割の湯の脇に降りることができます。道志みち沿いに少し進めば山中湖です。山中湖越しの富士山もきれいですが、やや雲も気になるところ。少しでも早く明神山からの景色が見たいと思い、足を進めます。この区間もロードが長かった。やっとの思いでA7山中湖へ。 A7ではBukkaの今泉さん、八木さん、波多野さんという豪華メンバーでお出迎え!

山中湖では雑談等を行いながらも、少し長居してしまいました。 長居ついでに、氷で足をアイシングをします。フラスコへの水と、A5で忘れたハイドレへのスポドリ給水も忘れませんw そして、ジェルフラスコ交換。これが秘密兵器。

休むと楽ですが、あまりに長居しても仕方ないかなと思い、重い腰を上げます。

ここからがUTMF本番!気が引き締まります!

【A7~A8】 UTMFスタート前から、UTMF本番はA7からだと意識していました。

終盤のアップダウンが激しい区間になりますが、足が生きていれば意外と走れる区間も多いのです。ここから先で足が止まるのは、山伏峠と杓子山くらい。そこを心の第一に意識してスタート。

A7を出ると、パノラマ台を経由して明神岳へさしかかります。溶岩の砂礫のような中をひたすら登って行きます。途中、何度か振り返って富士山を拝みたくなりますが、山頂までガマン!前後の間隔はそれなりに開いていますが、開けた場所ですので、かなり遠くまで位置が確認できます。周りに遅れないよう、むしろ少しずつ追い上げるよう、ゆっくりと。登り切れば高指山まで走れるエリア!明神岳からの富士山は、何度見てもきれいです。ここでも思わず、写真を撮影してしまいます。

でも、あまりゆっくり富士山を見てしまっては、頑張ってA7をスタートした意味がない。この先は何度も富士山は見えますので、さっさと先を急ぎます。 山伏峠まではアップダウンが続くものの、結構走れるセクション。でも、意外と登りで人が落ちてきます。本来であればキツイ登りなのだろうか?これもBukka効果か?

山伏峠への分岐まで来ると、沿道のボランティアからクマ出没情報が入ります。 偶然近くにいたランナー数人と群れになり、石割山方面へ向かう。でも、山伏峠からの登りはロープ場。集団で挑むのはとても面倒。。 自然と他のランナーより前に出る形で走ることになりました。 山伏からの登りはやはり急峻できつかったけど、他のランナーが既に死んでいる中、自分が生き生きとしている状況はとても愉快で(性格悪いw)、辛さは全くなかったです。

稜線まで登り継げると、石割山までは走れる区間。そろそろ日没時間が気になります。なんとしても杓子の登りは明るいうちに攻略したい。その一心で、じわじわペースを上げていきます。2度目の石割山から二重曲り峠へ向かう下り、何人かのゾンビランナーが復活し、追い上げてきます。まるでバイオハザード(笑)

ゾンビから逃げ切り、坂を下りきるとA8、二重曲り峠です。 A8ではフラスコに給水し、塩分といくらかのフルーツを補給しますが、杓子攻略を急いでいたため、恐らく5分ほどでエイドアウト。

【A8~A9】 杓子への登りは、終盤のハイライトです。 このあたりでは順位もじわじわと上がってきて、選手もまばらとなり、歩いている人はほとんどいないこともあって、前を見ても後を見ても選手がいない時間がかなり多くなります。たまに見える選手を気にしつつ、極端に速い選手以外の選手よりかは早く進むよう心がける。 (とは言いつつ、この区間では抜かれることは無かった)

やがて杓子の急激な登りに辿り着きます。 肉眼でもまだ十分に見えますが、念のためここからヘッデンを点灯。上を見上げると、ライトが所々確認でき、前方の選手の位置が少しわかりやすくなりました。もちろんそれが闘争心をさらに掻き立てます。「あのライトの動き、遅いぞ!」という感覚が、次第とペースアップにつながり、気づけば杓子の登りは立ち止まることすらなく一気の登り切ってしまいました。尾根に出ると空も薄暗くなり、富士残のシルエットがきれいに浮かび上がります。杓子岳で記念撮影をし、急激な下りへと差し掛かります。

この下り、試走では走らず慎重に降りました。でもレース当日の様子は少々荒れてはいるものの、まだフカフカの下り。(後半の選手が通過するころは、恐らくとても下りづらかったかと思います) これはチャンスと、走るペースを上げながらの降りていきます。でも、登りと違って前から選手が全く見えてこない。恐らく他の選手も走っていたのでしょう。

急激な下りが落ち着くと、やがて九十九折になります。ここからは林道、そしてエイドまでのロード!足は動く、予想以上に動きすぎている!そう感じた私はここで少し早いですがロングスパート気味にペースを上げます。手元の時計では6分台後半~7分。スタートからW1までのペースとほぼ一緒です笑。 林道区間とロード区間では、面白いように前方から選手が見えてきます。ここの約5kmだけで10人は順位を上げたと思います。富士吉田の町に降りてくると、辺りはもう完全に夜ですが、所々でスタッフや地元の方々が応援してくれます。笑顔であいさつを交わしていると、間もなくエイドに。

しかしここのエイドで衝撃の展開!

なんとエイドで鏑木さんが出迎えてくれている! (エイド巡察だったようです)

まだ人もまばらな中、必死に盛り上げてくれるスタッフと楽しい時間を過ごし、鏑木さんを数分間も独り占めしてはUTMBとレユニオンについてお話を聞き、「レースとしては非常に無駄な時間だけど、この上なく楽しい時間」を過ごしました。ここまで来れば、ゴールまではご褒美区間!足はほとんどダメージ無し!こっから一気にゴールを目指す決意をして、富士吉田を後にします。

【A9~Finish】 エイドを出て向原エリアまでは、数キロの市街地や住宅地エリア。私を追うようにエイドを出てきたランナーが、距離を維持するかのように追走してきました。そのままトレイルの入り口に着くと、ここで再びBukkaの長谷川さんが誘導スタッフとして案内してくれました!少し後ろを気にすると、先ほどのランナーはまだ、必死に食い下がるように追いかけてきます。ここは勝負所?相手の心をへし折ってやるかのごとく、登り始めと共に加速します。これこそBukkaの真骨頂!だって、霜山の登りって、仏果山より少ないんだよ?

登山道に入るとすぐにロッキーのテーマが聞こえてきました。(どうやら名物の方だったらしいです)演奏してくれた方に大きな声で元気よく「ロッキーになります!」と挨拶し、再加速!

さすがに霜山すべて走れはしませんでしたが、霜山も中盤以降はどんどんランナーが落ちてきます。やばい、コレ本当に楽しい。足は動くし、動かせば動かすほど順位が上がる!クセになってしまいます笑

登りで10人ほどパスしましたでしょうか。霜山の稜線に入ると、また前方のランナーが見えなくなります。ここからは走れるトレイルとロードのみ。決心をしてスパートをかけます! 160kmを越えて初めて、登り以外で心拍が上がり、息が切れてきますが、必死に前を追いかける。ゴールまでのイメージはできている!足も生きている!開けた部分で、選手が見つからないたびにギアを上げるイメージで猛追します。

やがて分岐から下りに入るところで、一人の選手を見つけます。女性だ。その方は軽やかに小刻みにステップを踏みながら下っています。私もさっきまでは慎重に、足を使わないよう意識して下っていたような坂。しかしここは一気に勝負を仕掛けようかと、ストライドを身長以上にうんと伸ばして、まるで飛ぶかの如くに下りを仕掛ける!まるで富士山砂走りでの下りの様!女性ランナーには若干引かれ(笑)つつも、下りでは一切ペースを緩めずに猛追!やがて神社脇あたりで二人を抜いて、河口湖畔に到達。

湖畔沿いのコースがずっと見えるエリアで目を凝らすも、前方に選手が全く見えなくなり、密かに目標としていた32時間というタイムもここで迎え、万事休す。(この時点で、一人前の選手はゴールしていた)湖畔沿いは軽いジョクで、たまに後方を確認しながら(笑)河口湖大橋へ。河口湖大橋に差し掛かると、これまでの思いがあふれ出て、目に涙が浮かんだのはここだけの話です。

橋を渡り切り、大池公園に近づくと、スタッフや沿道の観客が迎えてくれました。こんな肌寒い真夜中、本当にうれしかった。ゴールテープが見えると一度立ち止まり、お色直しも忘れません。余計な装備はザックに入れ、服装を整えて、ゼッケンがはっきりと見えるよう修正し、ザックの胸バンドを外して「BUKKA」の文字がはっきり見えるように…

最後のゴール、何も考えていませんでしたが、自然とBUKKAの文字を指さし、その指を高らかにあげてゴールテープを切りました。目の前にはクラブメンバーのサスケさん、アキラさん、竹トレの木村さんをはじめ、沢山の仲間が!

結果としては、目標の30時間、当初の予想の32時間には及びませんでしたが、32時間10分55秒。総合125位、男子113位と、考えもしなかった成績を収めることができました。

【最後に】 レース自体は多少のトラブルがあったものの、自分でもびっくりするくらいの成績でありました。実際、ロードのもトレイルも何十という数の大会に参加してきましたが、上位10%に入ったことなどありませんでした。そのうえ、初の100マイル。

100マイルに挑むに際して、自分がしてきた準備は間違いではなかったのかなと思います。応援、サポートしてくださったクラブメンバーへの恩返しとして、良かった点、改善すべき点はしっかり整理整頓して共有します。

ここまで来ると欲が出るのも事実。次回参加することがあれば、30時間、100位を目標に鍛えていけたら良いなと思います。

【成績】 UTMF  小島 大  32時間10分55秒(総合125位、男子113位)  橋本 道陽 43時間57分32秒(総合825位、男子713位)

STY  小浦 友美 18時間32分23秒(総合314位、女子55位)

文:小島

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